*本記事は一部プロモーションを含みます
2024年10月よりTBS日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」がスタートしました。現代の東京と1950年代の長崎の端島(軍艦島)を舞台にした物語です。
ドラマに出てくる端島(軍艦島)のシーンは当時の生活する人々の様子が細かく描写され、外海に面した島の台風の様子や海底1000mまで進んでいくトロッコ、湿気と暑さと戦う炭鉱員たちの様子がリアルで、1950年代の端島(軍艦島)が見事に再現されています。
当時、日本でも最先端の生活レベルを誇った端島(軍艦島)も1974年には無人となり、日本初の鉄筋コンクリート住宅や小学校、炭鉱施設は急速に廃墟化が進んでいます。「緑なき島」といわれたこの地も今では植物が生い茂っています。
軍艦島は現在は決められた会社からのツアーのみ上陸が可能。今回は、上陸ツアーからでも見ることができるドラマのスポットをご紹介します。
一平、進平ら炭鉱員が入坑する昇降階段
ドラマの第1話から登場する坑内への階段。階段の後はエレベーターになっており、地下600m(東京スカイツリーと同じ高さ!)まで2分30秒。その後歩いて、トロッコまで。トロッコで1時間かけ海底1000mの採炭場へやっと到着するそうです。
仕事を終えた炭鉱員たちは同じ道を戻り、写真の階段を下りていきます。その先には風呂があり、鉱員専用。3段階で入浴するようになっており、1回目は真っ黒の作業着のまま入る海水浴槽へ。2回目は体を洗う海水浴槽。3回目でかかり湯をする真水の浴槽へ。こうして行員は帰路につくそうです。
第2見学広場から見ることができます。 写真の地図はやまさ海運の上陸クルーズでいただいたものです。見学通路は地図左下の赤い線の部分でした。地図の一番下のドルフィン桟橋で下船し島左側の見学広場の方へ移動していきます。
炭鉱長や賢将ら幹部職員のアパート
炭鉱長の辰雄や息子の賢将ら幹部職員は島の一番高台にある3号棟アパートに住んでいました。見晴らしもよく、高波の心配もない場所です。ドラマでは402号室という設定ですからこの4階建ての最上階ということになりますね。水の貴重な端島において、風呂は共同風呂であった中、こちらの3号棟アパートだけが各家庭に風呂があったそうです。
第1見学広場から見れますが高台にあるため上陸前の船からでもよく見えます。
外勤となった鉄平の住む職員住宅
左が先述の3号棟幹部アパート、真ん中が2号棟の職員住宅です。鉄平は2号棟201号室。右端の端島神社の本殿はどこからでも見えます。逆にそこだけ残されているのが印象深く映ります。下船すると2号棟は見えづらいです。
荒木家や進平たち炭鉱員のアパート
船が付くドルフィン桟橋側は炭鉱施設が配置されており、島民のすむ居住地区は反対側となっています。上陸時に見学できるのは炭鉱施設のある南側がメインとなります。上陸見学が終わったあと船が島の周りを1周してくれる時に見えるポイントです。白い建物は鉱員の住む51号棟。ドラマの中で荒木家は19号棟の602号室、進平は18号棟の705号室となっており、上陸ツアーでは見ることができませんでした。白い建物の後方にみえるのが16棟から19棟。屋上菜園が作られたり、第1話で鉄平が屋上で「みなさーん、お願いがありまーす」と叫んだあそこです。
桟橋とは反対側の海から見ることができます。神社も一番高台にあるのでどこからでもみえます。
進平がひとりでよく行く「めがね」
進平が毎日やってくる場所。リナとの秘密を共有した場所でもあります。「めがね」といわれるこの場所は向かいの高島がよく見えるといういみで、そう呼ばれているらしいです。本来は島のゴミ捨て場。今では波で足場がほぼ残ってないですね。入り口がかろうじて見えました。
「めがね」のすぐ奥はリナが歌った地獄段や鉄平の働いた外勤詰所でしたね。船で少し階段が見えたような、見えなかったような…。
これも桟橋と反対側の海から見ることができます。
映画館とお寺、リナの部屋の跡地
端島にあった映画館「昭和館」はモダンなデザインだったそうです。海側にあり、その後方が島唯一のお寺「泉福寺」があった場所です。石積みの上に1階は女子寮でリナが住んでいたところ。2階が説教和尚のお寺。がれきの付近に寺の仏様が残っているらしいですが、全くわかりませんでした。
桟橋の反対側の海から見ることができます。
海底水道が引き込まれた貯水タンク
端島はもともと小さな岩礁の島。島には水源がなく、水は貴重で生活に必要な水は船で運搬されていたそうです。運ばれた水はこの貯水タンクに入れられ各アパートへ配水されていました。住民は桶をもって配給制の水を持ち帰っていました。ドラマの中でも天候が荒れて船が出せないときは給水制限が行われていましたね。そして、1957年に日本初の海底水道が完成します。野母崎→高島→中ノ島→端島までの海中6.5kmの水道パイプでした。水はやはりこちらの貯水槽に引き込まれ、島民の悩みが一つ消えたというわけです。第2話で島民が大喜びしていましたね。
第2見学広場から見ることができます。
鉄平と朝子が桜を見た島
中ノ島は端島から800m離れたところにある島。端島になかった火葬場と墓地が建設されていた。鉄平と朝子がお花見に行ったように桜が植えられていたようです。
長崎港から出発して伊王島や高島が見えた後に右側にみえてきます。
一平ら炭鉱員が運ばれた病院と幼少の朝子が療養した隔離病棟
端島には病院がありました。レントゲンや手術室もある総合病院で隔離病棟もありました。第7話で一平ら行員が炭鉱事故により病院に運び込まれていました。第3話で幼い朝子が赤痢にかかって隔離病棟で療養していましたね。実際、当時の端島では赤痢が流行っていたそうです。赤丸の4階建ての建物が端島病院、その右側の白い建物が隔離病棟。
桟橋と反対側の海から見ることができます。
いかがでしたか。端島を知れば知るほどドラマの再現性のすごさに驚かされます。廃墟化の進む軍艦島で撮影できない今、どうやってあのセットを作り出したのだろうかと興味がわきます。
軍艦島へクルーズ会社を利用して上陸することができますので、ぜひ行って、自分の目でドラマの世界をのぞいてみてくださいね。
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